Webサイトでよく見かける「同意」や「承認」のボタン。
その内容を理解しないまま、「とりあえず同意」している人は、
なんと85.2%にも上ります。その多くが形骸化しているのです。
さらに、このような状況の中で、「ダークパターン」と呼ばれる
悪意あるデザインを使うWebサイトも増加し、
サイト訪問者が犯罪に巻き込まれるケースも増えています。
本プロジェクトでは、
「同意問題」や「ダークパターン」による個人データの悪用を減らし、
信用できる企業のサイトかどうかを判断できる制度や基準をつくっていきます。
誰もがデータ活用や同意の内容を理解しやすい環境を提供することを目指します。
さらには、社団法人を立ち上げ、
この問題に継続的に取り組んでいく予定です。
活動の目的purpose
インターネット上で正しく分かりやすく必要な同意をとっているWebサイトがある一方で、わかりにくい説明や読みにくい 文章、何度も同意を求めてきてウンザリする同意疲れ、早く先の画面に進みたい消費者心理などが組み合わさって、規約や クッキーバナーなどの中身を読まずに同意ボタンを押す形骸化した同意(とりあえず同意)になっている消費者が多いのではないかと思っています。また、この読まれずに同意をすることを逆手にとったダークパターンによる被害も出てきています。 「Webの同意を考えようプロジェクト」では日本における同意のあるべき姿を研究、提言していくことを目的として立ち上げました。
活動の背景background
形骸化した同意(とりあえず同意)&同意疲れ問題
クッキーバナーや規約など、消費者が内容を読まずに安易に同意ボタンをクリックする「形骸化した同意」の問題や、ブラウザの設定によってクッキーが24時間などで削除されるために昨日同意したのに今日もまたクッキーバナーが出てきてうんざりする「同意疲れ」の問題(合わせて「同意問題」)が発生しています。一方、必要な同意の取得もあり、誠実に対応をしている企業が消費者から正しく評価されていないのではないか?という懸念が生じています。
ダークパターンによる被害
例えば、一回きりの購入に見せかけて定期購読を気づかずに申し込ませたりするWEBサイトや、偽のキャンペーンで詐欺にひっかかりやすい人の個人データを集めたり、定期購読サービスの契約は簡単だが解約を極めて難しくしたアプリなど。このような、ありとあらゆる方策でお金や個人データを騙し取るダークパターンにより、意図せぬ金銭的被害にあったり、精神的苦痛を感じたりする被害が発生しています。
実態と解決策facts and solutions
同意問題とダークパターン被害の実態
アンケート調査結果
- 形骸化した同意をしている人は全体の85.2%
- 同意疲れを感じている人は全体の73.2%
- ダークパターンを経験したことがある人は全体の86.0%
- 実際に金銭的被害を受けた人は全体の30.2%
- 一人当たりの年間平均被害額は有意水準5%で33,670円、有意水準1%で53,361円
被害想定
- 日本のインターネット人口:1億400万人のうち、86.0%がダークパターンを経験:8,944万人
- 30.2%の約3,140万人が金銭的被害を受け、一人当たりの1年間の平均被害額をかけると
推定被害総額は、年間約1兆575億円~約1兆6,760億円になる。
解決策
誠実なWebサイトを認定する制度、非ダークパターン認定(Non-Deceptive Design Accreditation:以下NDD認定)制度+ロゴの提供を政府と連携しながら消費者が正しい選択・判断ができるよう企業側の誠実な対応を促す民間主導の仕組みを構築・運用することで、ダークパターンを駆使する事業者を炙り出し、消費者の被害を減少させる。
- 具体策1
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ガイドラインの構築・バージョンアップ
消費者の方々に簡単にご理解頂けるガイドブックの作成と、企業側Web担当者向けのガイドラインの作成、加えて、NDD認定制度の設計・構築を早々に実施したいと考えています。特に、NDD認定に関しては、クッキーバナーの「ダークパターンチェック」からはじめ、徐々に規約を含めた契約全体の「透明性」と実際説明通りの運用がなされているかを含めた確認、事業部門がダークパターンになっていないかを社内でチェックする機構を有するかの確認、企業文化としてダークパターンに対する社内での問題意識の醸成などに範囲を広げていきます。この過程で、非ダークパターン認定を受けるにあたって、必要な実装・運用要件を記載したガイドラインを構築します。本ガイドラインの作成・バージョンアップにあたっては、消費者庁、総務省、個人情報保護委員会、経済産業省にレビューいただき、政府の方針との連動を図っていきます。
- 具体策2
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制度の構築
NDD認定を受ける企業数は相応に多いと考えられることから、運用の受け皿となる組織単体で審査を行うのではなく、認定審査機関と審査員を制度化して拡張性を持たせつつも、本部組織でのダブルチェックを行うなどして審査に対する信頼性を確保します。
- 具体策3
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運用の受け皿の構築
ガイドラインのバージョンアップ、審査制度の運用、政府機関との密な連携、認定ロゴのオンラインシステム運用、通報窓口の運用といった運用の受け皿として一般社団法人ダークパターン対策協会を設立します。Webの同意を考えようプロジェクトはその活動を一般社団法人ダークパターン対策協会に引き継ぎ、発展的解消をする予定です。
協力・賛同企業constituent company
多くの企業各社、団体、政府関係省庁から、本プロジェクトの趣旨、そしてNDD認定制度構築の活動にご賛同いただいております。
賛同企業※業種50音順、業種内での50音順
協力
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消費者庁
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総務省
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他政府機関